理事長挨拶

この度、2023年7月10日に開催された理事会において、引き続き、理事長に就任いたしました手塚でございます。
当法人は、会計、監査及び税務に関心を有する方の教育研修に対するニーズを的確に把握し、教材の開発及び教育研修を行なうことによって、会計人材の育成と会計リテラシーの向上に貢献することを目的として、2009年7月に設立されました。設立以来現在に至るまで、関係各位から多大なご協力をいただいていることに、心から感謝申し上げます。
新型コロナウィルスの感染拡大からすでに3年以上が経過しました。ロシアによるウクライナ侵攻は、想定を超える長期化の様相を示しています。世界が疫病と戦争の脅威に同時に晒され、世界の人々の健康・安全、世界経済、そして国家間の秩序が危機に瀕するという現実は、想像することができませんでした。加えて、深刻な気候変動による甚大な自然災害の多発、経済格差・教育格差による社会の分断など、社会は、その持続可能性を脅かす、数多くの重大な課題に直面しています。このような時代において最も重要なことは、「課題にチャレンジをする意欲を持ち、結果を出せる人材」を輩出することであると考えます。こうした問題意識から、私は、日本公認会計士協会会長在任時に、「公認会計士に求められる資質の検討タスクフォース」を組成し、2021年11月に「公認会計士に求められる資質・能力に関する報告書」を取りまとめました。

報告書は、これからの公認会計士に求められる資質・能力として、「変化即応能力・学び続ける姿勢」、「専門知識」、「価値観・倫理・姿勢」、「スキル」、「一般教育」の5つを示し、その関係性を上図のように表しました。すなわち、これからの公認会計士は、「一般教育(豊かな教養)」を土台として、「専門知識」と「価値観・倫理・姿勢」と、それらを活用する「スキル」を身につけ、時代の変化に適応できる「変化即応能力・学び続ける姿勢」を有する者であれ、ということです。そして、これは、公認会計士に特有のものではなく、「課題にチャレンジをする意欲を持ち、結果を出せる人材」に共通する資質・能力であると考えます。
社会が複雑化し、環境変化が激しく、価値観が多様化している現代において、当法人は、上図が示す人材像に基づいて、「会計を有効に活用して企業や組織の状況を客観的に把握した上で、質の高い意思決定を行うことができる人材」の育成に注力してまいります。具体的には、会計・監査・税務に主軸を置きながらも、これらに加えて、コーポレート・ファイナンス、コーポレートガバナンス、サステナビリティ情報を含むディスクロージャー等についての知識の習得を支援すると共に、論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力等の、知識を活用するための高いスキルの習得も支援し、社会課題の解決に貢献できる人材の育成を目指します。
今後も、当法人は、「我が国の会計人材の育成、会計リテラシーの向上に貢献し、国際的にも評価される質の高い会計人材の育成を通じて、我が国における経済社会の発展に貢献する」という設立の趣旨を実現すべく、全力で取り組んでまいります。関係各所には、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以 上
2023年7月 一般財団法人 会計教育研修機構
理事長 手塚 正彦
組織概要
名称 | 一般財団法人会計教育研修機構 英文名称:Japan Foundation for Accounting Education & Learning 略称:JFAEL |
所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目9番7号 |
設立年月日 | 2009年7月6日 |
設立者一覧 | あずさ監査法人(現 有限責任あずさ監査法人) あらた監査法人(現 PwCあらた有限責任監査法人) 仰星監査法人 京都監査法人(現 PwC京都監査法人) 三優監査法人 新日本有限責任監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人) 太陽ASG有限責任監査法人(現 太陽有限責任監査法人) 東陽監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査法人日本橋事務所 木下 俊男 藤沼 亜起 増田 宏一 |
目的 | 当法人は、広く会計、監査及び税務に関心を有する者の教育研修のニーズを的確に把握し、教材の開発及び教育研修の実施により、これらの者の会計、監査及び税務に関する専門知識、専門的技能の向上を実現し、もって我が国の会計人材の育成、会計リテラシーの向上に貢献することを目的とする。 |
事業内容 | 当法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。 (1) 会計実務に携わる者のための教育研修 (2) 取締役、監査役などの役員のための教育研修 (3) 公認会計士試験合格者のための実務補習 (4) 公認会計士のための継続的専門能力開発 (5) 各種の教育研修教材の開発とその提供 (6) 各種の教育研修の調査研究 (7) その他前条の目的を達成するに必要な事業 |
組織図

役員・評議員
2023年8月28日現在
評議員
議長
森 公高 | 日本公認会計士協会 相談役 |
評議員
大塚 宗春 | 早稲田大学 名誉教授 |
山道 裕己 | 株式会社日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO |
島崎 憲明 | IFRS財団アジア・オセアニアオフィス シニアアドバイザー |
徳賀 芳弘 | 京都先端科学大学 教授、京都大学 名誉教授 |
坂東 眞理子 | 学校法人昭和女子大学 総長 |
役員
理事長
手塚 正彦 | 一般財団法人会計教育研修機構 |
専務理事
福岡 広信 | 一般財団法人会計教育研修機構 |
理事
浅川 昭久 | 東陽監査法人 理事長 |
石井 雅也 | 太陽有限責任監査法人 代表社員 |
井野 貴章 | PwCあらた有限責任監査法人 代表執行役 |
井上 隆 | 一般社団法人日本経済団体連合会 専務理事 |
岩間 芳仁 | 公益財団法人財務会計基準機構 代表理事常務 |
大久保 孝一 | 有限責任監査法人トーマツ 包括代表 |
鍵 圭一郎 | PwC京都監査法人 マネージングパートナー |
片倉 正美 | EY新日本有限責任監査法人 理事長 |
小池 広靖 | 公益社団法人日本証券アナリスト協会 会長 |
後藤 紳太郎 | 日本公認会計士協会 副会長、近畿会会長 |
古藤 智弘 | 三優監査法人 理事長パートナー |
佐々木 啓吾 | 住友化学株式会社 常務執行役員 |
佐藤 久史 | 日本公認会計士協会 専務理事 |
清水 孝 | 会計大学院協会 理事長 |
髙田 篤 | 仰星監査法人 理事長 |
辻󠄀 松雄 | 一般社団法人全国銀行協会 副会長兼専務理事 |
土屋 一喜 | 一般社団法人日本内部監査協会 専務理事 |
鶴田 光夫 | 日本公認会計士協会 副会長 |
藤沼 亜起 | 一般社団法人日本公認不正検査士協会 前理事長 |
松野 正人 | 公益社団法人日本監査役協会 会長 |
茂木 哲也 | 日本公認会計士協会 会長 |
柳澤 義一 | 新創監査法人 統括代表社員 |
山田 裕行 | 有限責任あずさ監査法人 理事長 |
監事
堀江 正之 | 日本大学商学部 教授 |
山浦 久司 | 明治大学 名誉教授 |