九州実務補習所に入所される皆さんへ
九州実務補習所 運営委員会委員長
関根 康一
皆さん、公認会計士試験の合格及び実務補習所への入所おめでとうございます。この節目は、プロフェッショナルとして歩むための重要な第一歩です。その道のりは長く険しく、まだ始まったばかりです。これからが真の挑戦の始まりです。
公認会計士のやりがいは、企業の経営を支え、資本市場の透明性を高めることで経済社会に貢献できる点にあります。皆さんは常に高い倫理観を持ち、最新の専門知識を身につけ、変化する環境に適応する努力が求められます。この努力に終わりはありません。
さて、皆さんは「プロフェッショナル」という言葉にどのようなイメージを持っていますか?例えば、プロスポーツ選手を思い浮かべてみてください。彼らはどれほどの実力があっても結果を出せなければ、若くても戦力外とされ引退を余儀なくされることもあります。非常に厳しい世界です。一方で、公認会計士の仕事もプロフェッショナルの一つですが、そこまでの緊張感の中で働かなくても資格を取り上げられることはありません。監査事務所ではチームで監査を行い、自動化ツールやテンプレートを利用し、前期の監査調書を更新する作業が業務のベースとなります。心配することなく、皆さんはすぐに一定の成果を出せるようになるでしょう。ただ、この恵まれた環境は、プロフェッショナルとしての意識を低下させ、自己成長を阻害させるリスクもはらんでいます。
実務補習所は、公認会計士として必要な知識を習得するだけではなく、プロフェッショナルとしての行動を身につけ、視野を広げる場所です。専門知識に関する講義に加え、実務スキルの習得を目的としたディスカッション、ゼミナール、課題研究、さらには第一線で活躍する経営者による経営哲学の授業など、多様なカリキュラムが用意されています。この機会を最大限に活用し、プロフェッショナルとしての土台を固めてください。皆さんはどのようなプロフェッショナルになりたいですか?自律的に考え、行動し、未来を切り拓いていきましょう。