実務補習所に入所される皆さんへ
日本公認会計士協会 常務理事(実務補習・修了考査担当)
安井 康二
皆さん、公認会計士試験合格、おめでとうございます。多くの新しい仲間をお迎えすることができ、大変うれしく思っております。試験勉強に専念されてきた方も、働きながら、あるいは学業と両立しながら取り組んでこられた方も、それぞれ異なる環境の中で、自らを鼓舞し合格に向けて勉学に励まれることには、大変なご苦労があったことでしょう。皆さんの努力が報われたことについて、敬意を表しますとともに、改めて心よりお喜び申し上げます。
日本公認会計士協会では、一昨年、新ブランドとして以下のタグラインを設定しています。
このタグラインの中核概念は、「私たち公認会計士は、高い倫理観と専門的知見をもとに説明責任を究め、世界の人々と共に社会に信頼を作り上げていくことで、安心で活力に満ちた豊かな社会の創造に貢献するプロフェッショナルです。」と定義されています。
皆さんは、これから様々な場で公認会計士試験合格者として実務経験を経ていくとともに、実務補習をされていくことになります。公認会計士は会計・監査の専門家であり、世間からはプロフェッショナルの一つとして認識されています。したがって、「高い倫理観と専門的知見」をはぐくむために、常に自己研鑽を続けていく必要があります。そのために用意されているのが実務補習所における学習の機会であり、そこはプロフェッショナルたちのネットワーキングの場でもあります。仕事における実務だけでも大変ですが、公認会計士試験合格はスタート地点に過ぎません。実務補習を受け身で受講するのではなく、主体的に取り組むことを期待します。そして、皆さんがこれから実感していくであろう、公認会計士が実際に生み出している「信頼の力」を、皆さんとともに未来に運んでいきたいと願っています。